2017年10月25日水曜日

ルート確保の動画に字幕をつけてみました


4月にアップした「ルート確保」の動画に字幕をつけてみました。

これで、場所を選ばず手技の順序を確認できると思います(ついでに噛み噛みだった音声部分はカットしておきました)。

学生時代は、末梢静脈路確保や採血の手技への苦手意識が強いですよね。ぼくもそうでした。

でもそれは当然のことで、実際に穿刺する経験はほとんどないですし、それ故に手技のイメージがつきにくいですからね。

手技は経験とイメトレです!

ぼくの学生時代には、基本手技の適切な動画がありませんでしたので、OSCEや手技系の国試問題で苦労しました。

この動画を見て、少しでもルート確保のイメージを掴んでみてください。

ルート確保の字幕つき動画

しろくま


参考文献

診察と手技がみえる vol.2

p54-67

「○○がみえる」シリーズで唯一読んだ本。写真が多くて視覚的にイメージしやすくなっています。手技の本は一冊あるととっさに調べられて便利です。

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2017年10月9日月曜日

【動画】30秒!ルート確保の手順


このたび、30秒でルート確保(末梢静脈路確保)の手順を説明する動画を作成しました。

短い動画があれば点滴実習の直前でもサッと確認できると思いまして。

今upされている手技の動画はだいたい長いですからね。

そういう自分も半年前に作った動画は5分くらいありましたね汗。それにあれはナレーションで噛みまくってしまっていて。
あぁ恥ずかしい。

いつか改良したいと思っていたんです。

そんな時、クラシルの短いレシピ動画を見つけて。

「これだ!」と閃きました。

動画編集に初めて挑戦してみたのですが、意外に簡単で面白いですね。

とかいって独りで過ごす休日を誤魔化すしろくまでした。

参考文献

診察と手技がみえる vol.2

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2017年6月3日土曜日

【動画あり】輸液ルートの組み立て方

この記事では輸液ルートの組み立て方について紹介します。
病棟では看護師さんが組み立ててくれることが多いですが、急変時には自分で組み立てをしなければならない場合もあります。

一度動画を見ておくと本番でテンパらないですよ。

輸液ルートの組み立て方は国家試験にも出題されていますね。

108H9

点滴器具の模式図と部品の写真を示す。部品の正しい位置を示せ。
108H9輸液ルート組み立て
※ア:クレンメ、イ:三方活栓、ウ:点滴筒

輸液ルートの組み立て方


1.輸液セットと延長チューブを接続しよう


2.輸液セットのクレンメを閉じよう


3.輸液ボトルにビン針を刺そう
垂直に「out」と書かれた部分に刺そう

4.点滴筒に薬液を満たそう
点滴筒を軽く押し1/2~1/3満たす

5.クレンメを開放して、薬液をルートの先端まで満たそう



6.クレンメを閉じよう


これで、「輸液ルートの組み立て方」の説明を終わりにします。

輸液ルートを組み立てられたら、ルート確保に挑戦してみましょう。ルート確保に関する記事(動画つき)はコチラです。

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2017年5月26日金曜日

【動画あり】挑戦!ルート採血

静脈路確保と採血が一度にできる、「ルート採血」は救急現場で多用されます。この記事では「ルート採血」の手順とコツについて、動画と文章で説明します。

※ちなみに他の手技についても動画をupしています。


ルート採血の手順

1.環境を整えよう

  • 穿刺部位を心臓より低い位置に保とう

2.清潔操作を心掛けよう

  • 手指消毒をしよう
  • 手袋を装着しよう

3.穿刺部位を探そう

前腕中央部の橈側皮静脈や正中皮静脈などを狙いましょう
実線矢印:橈側皮静脈 点線矢印:正中皮静脈

  • 採血部位の中枢に駆血帯を巻き血管を怒張させよう
  • 見て「盛上がっている」、触って「弾力のある」血管を探そう

4.消毒しよう

  • アルコール綿で末梢から中枢に向かい消毒しよう

5.穿刺しよう

  • 血管固定のために採血部位より抹消の皮膚を軽く引張ろう
  • 血管は表面付近にあるので角度をつけず穿刺しよう
  • ※切り口(ベベル)は上に向けよう

6.内筒の逆血を確認しよう

まずは留置針の内筒に逆血を確認しよう
  • 持ち手部分まで血液が逆流するのを確かめよう

7.針を寝かせて数mm進めよう

  • 外筒の先端が血管内に入るまで進めよう 

8.外筒の逆血を確認しよう

9.外筒を根元まで進めよう

  • 廃棄ボックスに針を捨てよう
外筒の逆血を確認してから、外筒だけを根元まで進めます

10.シリンジを接続しよう

外筒にシリンジを接続します

11.ゆっくり吸引しよう

  • シリンジと腕の間に指を挟んで固定しよう

12.駆血帯をはずそう

13.シリンジを外そう

  • アルコール綿を接続部の下に敷きましょう
アル綿を敷きます
  • 外筒の先端を押さえながらシリンジを外そう
    外筒の先端を押さえてシリンジを抜きます

14.点滴ラインを接続しよう

ルートを接続します

15.滴下を確認しよう

  • クレンメを全開にして滴下を確認しよう
  • 穿刺部周囲が張れないか確認しよう

16.固定しよう

  • フィルムとテープで固定しよう

これで、「ルート採血」の説明を終わりにします。

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2017年5月1日月曜日

デジタルに医学知識を整理しよう

皆さんは国試やCBTの知識をどのようにまとめていますか。

OfficeのOneNoteは医学知識の整理に超便利

僕は紙媒体ではなくて、OfficeのOneNoteで知識をデジタル化して整理しています。※マックユーザーならEvernoteになりますかね。

今回は紙でなくデジタルで知識を整理する利点をお伝えします。

編集が楽

医学知識は日々アップデートされていきますね。

紙媒体で記録すると追記のスペースが少なく、修正すると汚くなりますよね。

OneNoteならばWordのように編集が自由自在です。

階層化しやすい

医学ほど体系化された学問はないと思います。

紙媒体で体系的にまとめようとすると手間がかかります。

OneNoteはノートブック⇒セクション⇒ページに階層化されています。インデントも文字の大きさも簡単に変更できます。知識を体系的に整理するにはもってこいのツールです。
onenoteでノートブック⇒セクション⇒ページに知識を階層化

かさ張らない

医学知識は膨大な量ですね。

紙媒体で全てを整理したら、何冊も分厚いノートになってしまい、持ち運びにも不便ですね。

OneNoteならば薄いノートパソコン一台あれば知識を全て整理できますし、さらにスマホと同期もできますので、いつでもどこでも知識を確認できます。
onenoteはスマホと同期できる


リンクが張れる

医学知識は、症候と疾患、診療科横断的疾患など関連する知識が多いですね。

紙媒体だと、別ページに書かれた関連する知識をすぐには参照できませんね。

OneNoteならばハイパーリンクを張れますので、関連する知識をすぐに確認できます。
「コチラ」をクリックすると・・・
一過性意識障害のページにひとっとび


検索できる

医療では基準値や投与量など、細かい数値を確認したい時がままありますね。

紙媒体だといちいちページを繰って知識を探す必要があります。

OneNoteならば、検索機能がついていますので、まとめた知識を即座に確認できます。

ドラッグ&ドロップ

医学知識の最新知識や役立つ情報はネット上に転がっています。

それを紙媒体で記録しようとすると一文字一文字書き取らなければいけませんね。

OneNoteならば、ドラッグ&ドロップやコピー&ペーストで情報を取り込むことができます。さらに画像、動画も埋め込むことができます。
onenoteなら画像もdrag & drop


以上、医学知識をOneNoteで整理する利点をお伝えしました。

これから国試勉強やCBT勉強を始めようとしているあなた。OneNoteで知識を整理してみてはどうでしょうか。

参考サイト



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2017年4月10日月曜日

国試で学ぶ カルテの書き方、プレゼンのお作法

107A44

国試の臨床問題からカルテやプレゼンのお作法を学びましょう

研修までに覚えたい常識


  • カルテをSOAPで記載
  • 病歴のAMPLE
  • Review of system
  • 痛みのOPQRST
  • pertinent negativeの意味
  • プレゼンのお作法


国家試験臨床問題の文章はカルテやプレゼンのお作法通りに書かれています。

せっかく何百題も解くのであれば、カルテの書き方やプレゼンの仕方を意識しながら勉強してみてはとうでしょうか。

この記事は、国試の臨床問題の文章をカルテの書き方・プレゼンの仕方の面から分析します。

カルテを書く意味

そもそもカルテを書く意味は、情報を整理し、考察し、記録し、伝達する事だと思います。そのためにはある程度の共通の枠組みがあったほうがいいですよね。その共通の枠組みがSOAPです。
カルテはSOAPで記述しましょう

SOAP


  • Subjective data(主観的情報)
  • Objective data(客観的情報)
  • Asscessment(評価)
  • Plan(計画)


患者からの情報(S・O)、記載者の判断(A)、具体的な介入方法(P)に分けて、順番に記載するSOAPは論理的な思考を深めやすいですし、読み手にもわかりやすく伝わります。

初診時カルテの項目

SOAPに沿って初診時カルテを記述してみましょう。初診時カルテの項目例を以下に挙げておきました。
初診時カルテの例

S: subjective data

患者・家族の証言から得られた情報です。

  • 年齢
  • 性別
  • 主訴
  • 現病歴
  • 既往歴
  • アレルギー歴
  • 薬剤歴
  • 生活歴


国試の臨床問題も必ず、年齢、性別、主訴から始まりますね。現病歴は患者を主語にして、時系列に沿って、過去形で記述しましょう。

痛みのOPQRST

痛みが主訴の場合は、痛みのOPQRSTを覚えておくと、聞き漏らしがありません。


  • Onset:発症様式(突発、急性、亜急性、慢性)
  • Palliative/ Provocative factors:寛解増悪因子
  • Quality/ Quantity:質と程度
  • Resion/ Radiation:主要部位と放散部位
  • Symptoms associated:随伴症状
  • Time course:時間的経過


上記の国試問題のOPQRSTは以下のようになりますね。

  • Onset:急性
  • Palliative/ Provocative factors:前かがみで和らぐ
  • Quality/ Quantity:歩くと響くような
  • Resion/ Radiation:右下腹部
  • Symptoms associated:心窩部不快感、悪心、嘔吐
  • Time course:昨日心窩部不快感・悪心⇒今朝右下腹部痛⇒嘔吐⇒歩行時響く

Review of system: ROS

ROSで全身の症状を網羅しよう。

「現病歴」が聴取できたら、次はReview of system: ROSをチェックしましょう。頭から足先まで全身の症状をチェックするリストです。

ROSをチェックすることで現病歴を補足するような陽性所見や陰性所見が明らかになります。また、思いがけない合併症を発見する契機となり得ます。

病歴聴取のAMPLE

「現病歴」以外は、忙しい救急現場では聞き忘れてしまうこともあるかもしれませんので、病歴聴取のAMPLEを暗記しておくと便利です。

  • Allergy:アレルギー
  • Medication:内服薬
  • Past history & Pregnancy:既往歴と妊娠可能性
  • Last meal:最後の食事
  • Events & environment:受傷機転と現場状況

O: objective data

Oは診察時のバイタルサイン、身体所見と検査所見を記載します。

バイタルサイン

バイタルサインは、重症度や緊急度を察知する一番の指標です。

意識⇒循環(血圧、脈拍数)⇒呼吸(呼吸数、SpO2)⇒体温の順に記載すると良いです。

身体所見

身体所見は頭部⇒頸部⇒胸部⇒腹部⇒四肢のように頭から足先まで記載します。

腹部診察は体性痛の所見がないかが重要です。上の問題では、「反跳痛」を認めており、腹膜まで炎症の及んだ、体性痛が示唆されます。

検査所見

検査所見は尿、血液、画像検査などですが、国試問題を解いていると陽性所見にばかり捉われがちで、陰性所見まで目が向かないことはないでしょうか。

しかし、陰性所見も診断や治療方針に関わる情報を与えてくれることがあります。これをpertinent negativeと言います。

上記の問題文には、さらっと書かれた「妊娠反応の陰性」がpertinent negativeです。

「若い女性の腹痛は妊娠を疑う」のが鉄則で、この陰性所見によって子宮外妊娠は除外され、鑑別診断を進めることができます。

A: asscessment

AではS・Oをもとにプロブレムを抽出して考察を加えます。医師としての一番の腕のみせどころです。S・Oはただ書き取ればいいてすが、Aは自分の頭で考えなければなりません。主語は自分にして、現在形で記載しましょう。

プロブレムリスト

介入の必要がある事象は全てプロブレムとしてリストアップしましょう。プロブレムが複数ある場合は、重要度順に番号を振ると良いです。

プロブレムをリストアップしたら、各プロブレムについて鑑別診断を考えます。その際は診断の可能性を根拠に基づいて重み付けしていきます。

上の問題でのAは以下の感じでしょうか。

#1. 腹痛
要約:妊娠反応陰性の若い女性に起きた急性発症の右下腹部痛
S/O:虫垂炎(∵嘔気の先行する心窩部から右下腹部に移動する痛み、圧痛)
R/O:子宮外妊娠(∵妊娠反応陰性)
特記:「歩いて響く」「反跳痛」から体性痛が示唆され、腹膜炎に至っている

※S/Oはsuspect ofで「可能性が高い」、R/Oはruled outで「可能性は低いが危険があるため除外したい」の意

P:Plan

PではAから導かれる計画を記載します。治療プランや診断プランなどが含まれます。

上記の問題では「外科コンサルト」が治療プランとなるでしょうか。

プレゼンのお作法

カルテは情報を整理するために網羅的に記載しますが、プレゼンは診断に関係する情報のみを伝えます。国試の臨床問題の文章は最低限の情報しか記載されていないという点でカルテというよりもプレゼンに近いですね。

例えば、上の問題の身体所見では腹部所見に詳しい一方で、胸部所見が何も書かれていませんね。

何が省略されているかを考えながら国試の文章題を解くと、病棟実習でも上手なプレゼンが出来ると思います。

Opening Statement

ちなみに、プレゼンの冒頭に「既往+年齢+性別+主訴」を盛り込んだ一言を述べると以降のプレゼン内容がわかりやすく伝わります。この冒頭の一言をopening statementと呼びます。

上の問題だと以下のようなopening statementになるでしょうか。

「特に既往のない、妊娠反応陰性の若い女性が急性の右下腹部痛で受診しました」

簡単ではありましたが、これでカルテの書き方・プレゼンのお作法の記事を終わりにします。もっと詳しくという方は是非、下の本を参考にしてください。

参考文献

「型」が身につくカルテの書き方


カルテの書き方は意外に誰も教えてくれませんし、先輩のカルテの書き方が正しいとも限りません。この本を読めばカッコいいカルテが書けるようになりますよ。

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2017年4月1日土曜日

【動画あり】灼熱!末梢静脈路確保塾

107H17

末梢静脈路確保の問題です。

研修までに覚えたい常識

  • 末梢静脈路確保の手順
  • 末梢静脈路確保のコツ
  • 末梢静脈路確保の練習法


末梢静脈路確保は治療のはじまり

末梢静脈路(ルート)が確保できれば、輸液も抗菌薬も点滴することもできます。つまり、末梢静脈路確保は治療のはじまりと言えるのではないでしょうか。

日常診療で多用する手技ですので、学生の時から機会を捉えて挑戦しておきましょう。

同期の協力のおかげで末梢静脈路確保の動画を作成できましたので、これを見てまずはイメージトレーニングをしてみてください。(ちなみに採血手技の動画もupしてありますので、そちらもご参考ください)


ここから下では、末梢静脈路確保について、準備、手順、コツ、練習に分けてお話しします。特に練習法は熱く語っています。最後までお読みください。

準備

輸液セットを予め組み立てておきましょう(「輸液セットの組み立て方」の記事はコチラ)。輸液バッグにびん針を刺し、チューブ全体に液体を満たしておきましょう。
末梢静脈路確保の器具 輸液セットは予め組み立てよう
  • 輸液セット
  • 手袋
  • 駆血帯
  • アルコール綿
  • 留置針(20~24G)
  • 固定用フィルム
  • テープ
  • 廃棄用ボトル

留置針は内筒と外筒に分かれる


留置針は金属針である内筒と、非金属カテーテルである外筒で構成されます。内筒は刺す用、外筒は留置用であり、内筒は外筒よりも長くなっています。

針の太さは22Gを基本として、血管が細そうな人は24Gを用いましょう。

末梢静脈路確保の手順

1.環境を整えよう

  • 穿刺部位を心臓より低い位置に保とう

2.清潔操作を心掛けよう

  • 手指消毒をしよう
  • 手袋を装着しよう

3.穿刺部位を探そう

前腕中央部の橈側皮静脈や正中皮静脈などを狙いましょう
実線矢印:橈側皮静脈 点線矢印:正中皮静脈

  • 穿刺部位の中枢に駆血帯を巻き血管を怒張させよう
  • 見て「盛上がっている」、触って「弾力のある」血管を探そう
  • ※関節近くは避けよう

4.消毒しよう

  • アルコール綿で末梢から中枢に向かい消毒しよう

5.穿刺しよう

  • 血管固定のために穿刺部位より抹消の皮膚を軽く引張ろう
  • 血管は表面付近にあるので角度をつけず穿刺しよう
  • ※切り口(ベベル)は上に向けよう

6.内筒の逆血を確認しよう

まずは留置針の内筒に逆血を確認しよう
  • 持ち手部分まで血液が逆流するのを確かめよう

7.針を寝かせ数mm進めよう

  • 外筒の先端が血管内に入るまで進めよう 

8.外筒の逆血を確認しよう

9.外筒を根元まで進めよう

外筒の逆血を確認してから、外筒だけを根元まで進めます

 

10.駆血帯をはずそう

11.内筒を抜こう

  • 廃棄ボックスに針を捨てよう

12.点滴ラインを接続しよう

13.滴下を確認しよう

  • クレンメを全開にして滴下を確認しよう
  • 穿刺部周囲が張れないか確認しよう

14.固定しよう

透明フィルムと強めのテープで固定
  • フィルムとテープで固定しよう

 コツは血管怒張

コツは静脈をいかに怒張させるかです。末梢血流を増やし、静脈血をうっ滞させる方法を紹介します。

  • 拳を握ってもらう
  • 軽くたたく
  • 腕を下げてから駆血帯を巻く
  • 末梢から中枢へ消毒
  • 駆血帯を巻き直す
  • 蒸しタオルで温める
  • ※うまくいかないときは反対の腕で挑戦しよう
  • ※それでもだめなら、先輩を呼ぼう


灼熱!ルート確保練習

実際に患者さんを前にして成功するためには自信が大きく影響すると思います。その自信をつけるためにはやはり、練習あるのみではないでしょうか炎

手に馴染ませよう

バッドの握り方がわからなければ、バッドを振ることすらままならないですよね。

留置針の持ち方:親指と中指で挟み、人差し指を外筒に添える

僕は親指の腹と中指の側面で持ち手を挟み、外筒に人差し指を添えます。持ち手の柄は母指球に当たるようにして固定します。自分なりのしっくりくる持ち方を研究しましょう。

「素刺し」をしよう

バッドの振り方がわからなければ、ボールは打てませんよね。「素振り」ならぬ「素刺し」をして型を確認しましょう。僕は人差し指だけで外筒をスライドさせる動作を何度も繰り返し練習しました。

手順を繰り返そう

身近な物を使って、実際の手順を繰り返してみましょう。僕はぬいぐるみを人体に見立て、紐を血管として代用し、ティッシュを皮膚として被せて練習していました(笑)
紐や駆血帯を血管に見立てて練習
ティッシュを皮膚に見立てて練習

本当は血管はゴム製の駆血帯で代用するのがベストです。切れて使い物にならなくなった駆血帯をもらってきましょう。紐の場合は紙袋についているものが刺しやすいと思います。

ファーストステップは紐に刺す練習からはじめて、ネクストステップは紐にティッシュを被せて、そのうえから刺す練習をしましょう。

自分の腕を触って探す

人が違っても血管の走行はある程度似ています。自分の血管の走行を確認したり、刺しやすそうな血管の弾力を触って確かめておきましょう。

以上、「灼熱!末梢静脈路確保塾」でした。「熱血!末梢静脈採血塾」(コチラ)と合わせて、みなさんの少しでもお役に立てれば幸いです。

次回は、救急現場で多用する「ルート採血」の記事を書きたいと思いますので、そちらもご覧ください。

参考文献

診察と手技がみえる vol.2

p54-67

「○○がみえる」シリーズで唯一読んだ本。写真が多くて視覚的にイメージしやすくなっています。手技の本は一冊あるととっさに調べられて便利です。

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2017年3月29日水曜日

【動画あり】熱血!静脈採血塾

110H10

静脈採血の手順に関する問題

研修までに覚えたい常識

  • 静脈採血の手順
  • 静脈採血のコツ
  • 静脈採血の練習法


静脈採血は基本中の基本手技

静脈採血手技は基本中の基本手技ですから国試でも出題されますね。採血手技がうまくいかないと、鑑別診断が進まなかったり、患者さんの状態評価ができなかったりと、診療がその段階で止まってしまいます。

学生時代からどんどん挑戦しておくと、研修医になって慌てませんよ。

同期の協力のおかげで採血動画を作成できましたので、これを見てまずはイメージトレーニングをしてみてください。(※因みに「末梢静脈路確保」の動画もあります。)


ここから下では、静脈採血手技について、準備、手順、コツ、練習に分けてお話しします。特に練習法は、かなり体育会系に熱く語っています。最後までお読みください。

準備

しっかりと物を揃えてから患者さんのところへ行きましょう。いざ採血しようとして器具が足りないと、焦ってしまいますし、患者さんの不安も煽ってしまいますからね。特に廃棄ボトルは忘れやすいです。
採血前に必要器具を準備しよう

  • 手袋
  • 採血枕
  • 駆血帯
  • アルコール綿
  • 翼状針(21~23G)
  • 真空管
  • 採血管
  • 廃棄用ボトル
  • テープ

針の種類は翼状針と直針、留置針、採血方法は真空管とシリンジがありますが、初心者は翼状針+真空管の組み合わせが一番簡単だと思います。
採血初心者は翼状針+真空管がオススメです

翼状針は逆血が見えやすく、また固定しやすいというメリットがあり、真空管は分注の必要がないというメリットがあります。

針の太さは22Gを基本として、血管が細そうな人は23Gを用いましょう。

静脈採血の手順

1.採血環境を整えよう

  • 採血台を心臓の高さより低く設定しよう
  • 採血枕を用いよう

2.清潔操作を心掛けよう

  • 手指消毒をしよう
  • 手袋を装着しよう

3.穿刺部位を探そう

肘正中皮静脈が第一選択です
矢印の先が肘正中皮静脈です
  • 採血部位の中枢に駆血帯を巻き血管を怒張させよう
  • 見て盛上がっている、触って弾力のある血管を探そう

4.消毒しよう

  • アルコール綿で末梢から中枢に向かい消毒しよう

5.穿刺しよう

  • 血管固定のために採血部位より抹消の皮膚を軽く引張ろう
  • 血管は表面付近にあるので角度をつけず穿刺しよう(15度)
  • ※切り口(ベベル)は上に向けよう

6.逆血を確認しよう

  • 留置針のチューブ内まで逆流する血液を確認しよう

7.血液採取しよう

  • 翼状部を上から抑えて固定しよう
  • 真空管に採血管を挿入しよう
  • ※採血管内は陰圧なので自動的に血液が充満する
  • 採血管を抜こう

8.駆血帯を外そう

9.針を抜こう

  • アルコール綿を刺入部に当てながら針を抜こう
抜針と同時に針が収納固定されるタイプだと安全
  • 廃棄ボックスに針を捨てよう
  • アルコール綿で圧迫し、テープを張ろう

 コツは血管怒張

コツは静脈をいかに怒張させるかです。末梢血流を増やし、静脈血をうっ滞させる方法を紹介します。

  • 拳を握ってもらう
  • 軽くたたく
  • 腕を下げてから駆血帯を巻く
  • 末梢から中枢へ消毒
  • 駆血帯を巻き直す
  • 蒸しタオルで温める
  • ※うまくいかないときは反対の腕で挑戦しよう
  • ※それでもだめなら、先輩を呼ぼう


熱血!採血練習

実際に患者さんを前にして成功の鍵を握るのは、絶対うまくいくという自信だと思います。その自信をつけるためにはやはり、練習あるのみではないでしょうか。

手に馴染ませよう

バッドの握り方がわからなければ、バッドを振ることすらままならないですよね。まずはしっくりくる針の握り方を確認しましょう。

「素刺し」をしよう

バッドの振り方がわからなければ、ボールは打てませんよね。「素振り」ならぬ「素刺し」をして型を確認しましょう。

手順を繰り返そう

身近な物を使って、実際の手順を繰り返してみましょう。僕はぬいぐるみを人体に見立て、紐を血管として代用し、ティッシュを皮膚として被せて練習していました(笑)
紐や駆血帯を血管に見立てて練習
ティッシュを皮膚に見立てて練習

本当は血管はゴム製の駆血帯で代用するのがベストです。切れて使い物にならなくなった駆血帯をもらってきましょう。紐の場合は紙袋についているものが刺しやすいと思います。

ファーストステップは紐に刺す練習からはじめて、ネクストステップは紐にティッシュを被せて、そのうえから刺す練習をしましょう。
翼状針を駆血帯に刺す練習
ティッシュの上から駆血帯に刺す練習

行きかう人の腕を見て探す

普段から周りの人の血管を見るクセをつけましょう。すると、出会った瞬間に採血が難しいかどうかの判断ができ、心構えができます。

自分の腕を触って探す

人が違っても血管の走行はある程度似ています。自分の血管の走行を確認したり、刺しやすそうな血管の弾力を触って確かめておきましょう。

どうでしょうか、これで「熱血!静脈採血塾」は終わります。今度は、末梢静脈路確保の記事を書きますので、そちらもご覧ください。

参考文献

診察と手技がみえる vol.2

p2-17
「○○がみえる」シリーズで唯一読んだ本。写真が多くて視覚的にイメージしやすくなっています。手技の本は一冊あるととっさに調べられて便利です。

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