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静脈採血の手順に関する問題 |
研修までに覚えたい常識
- 静脈採血の手順
- 静脈採血のコツ
- 静脈採血の練習法
静脈採血は基本中の基本手技
静脈採血手技は基本中の基本手技ですから国試でも出題されますね。採血手技がうまくいかないと、鑑別診断が進まなかったり、患者さんの状態評価ができなかったりと、診療がその段階で止まってしまいます。
学生時代からどんどん挑戦しておくと、研修医になって慌てませんよ。
同期の協力のおかげで採血動画を作成できましたので、これを見てまずはイメージトレーニングをしてみてください。(※因みに「末梢静脈路確保」の動画もあります。)
同期の協力のおかげで採血動画を作成できましたので、これを見てまずはイメージトレーニングをしてみてください。(※因みに「末梢静脈路確保」の動画もあります。)
ここから下では、静脈採血手技について、準備、手順、コツ、練習に分けてお話しします。特に練習法は、かなり体育会系に熱く語っています。最後までお読みください。
準備
しっかりと物を揃えてから患者さんのところへ行きましょう。いざ採血しようとして器具が足りないと、焦ってしまいますし、患者さんの不安も煽ってしまいますからね。特に廃棄ボトルは忘れやすいです。
- 手袋
- 採血枕
- 駆血帯
- アルコール綿
- 翼状針(21~23G)
- 真空管
- 採血管
- 廃棄用ボトル
- テープ
針の種類は翼状針と直針、留置針、採血方法は真空管とシリンジがありますが、初心者は翼状針+真空管の組み合わせが一番簡単だと思います。
採血初心者は翼状針+真空管がオススメです |
翼状針は逆血が見えやすく、また固定しやすいというメリットがあり、真空管は分注の必要がないというメリットがあります。
針の太さは22Gを基本として、血管が細そうな人は23Gを用いましょう。
静脈採血の手順
1.採血環境を整えよう
- 採血台を心臓の高さより低く設定しよう
- 採血枕を用いよう
2.清潔操作を心掛けよう
- 手指消毒をしよう
- 手袋を装着しよう
3.穿刺部位を探そう
肘正中皮静脈が第一選択です |
4.消毒しよう
- アルコール綿で末梢から中枢に向かい消毒しよう
5.穿刺しよう
- 血管固定のために採血部位より抹消の皮膚を軽く引張ろう
- 血管は表面付近にあるので角度をつけず穿刺しよう(15度)
- ※切り口(ベベル)は上に向けよう
6.逆血を確認しよう
- 留置針のチューブ内まで逆流する血液を確認しよう
7.血液採取しよう
- 翼状部を上から抑えて固定しよう
- 真空管に採血管を挿入しよう
- ※採血管内は陰圧なので自動的に血液が充満する
- 採血管を抜こう
8.駆血帯を外そう
9.針を抜こう
熱血!採血練習
実際に患者さんを前にして成功の鍵を握るのは、絶対うまくいくという自信だと思います。その自信をつけるためにはやはり、練習あるのみではないでしょうか。
手に馴染ませよう
バッドの握り方がわからなければ、バッドを振ることすらままならないですよね。まずはしっくりくる針の握り方を確認しましょう。
「素刺し」をしよう
バッドの振り方がわからなければ、ボールは打てませんよね。「素振り」ならぬ「素刺し」をして型を確認しましょう。
手順を繰り返そう
身近な物を使って、実際の手順を繰り返してみましょう。僕はぬいぐるみを人体に見立て、紐を血管として代用し、ティッシュを皮膚として被せて練習していました(笑)
本当は血管はゴム製の駆血帯で代用するのがベストです。切れて使い物にならなくなった駆血帯をもらってきましょう。紐の場合は紙袋についているものが刺しやすいと思います。
ファーストステップは紐に刺す練習からはじめて、ネクストステップは紐にティッシュを被せて、そのうえから刺す練習をしましょう。
行きかう人の腕を見て探す
普段から周りの人の血管を見るクセをつけましょう。すると、出会った瞬間に採血が難しいかどうかの判断ができ、心構えができます。
自分の腕を触って探す
人が違っても血管の走行はある程度似ています。自分の血管の走行を確認したり、刺しやすそうな血管の弾力を触って確かめておきましょう。
どうでしょうか、これで「熱血!静脈採血塾」は終わります。今度は、末梢静脈路確保の記事を書きますので、そちらもご覧ください。
「○○がみえる」シリーズで唯一読んだ本。写真が多くて視覚的にイメージしやすくなっています。手技の本は一冊あるととっさに調べられて便利です。
どうでしょうか、これで「熱血!静脈採血塾」は終わります。今度は、末梢静脈路確保の記事を書きますので、そちらもご覧ください。